議会報告 第十五回

議員になって間もなく4年が経過します。今回はそのまとめの報告とさせていただきます。


12月議会の概要


12月議会は災害関連などの補正予算を可決しました。

一般会計補正予算では


平成31年(2019年)1月(第15号)


7月豪雨、九月豪雨、台風24号により被害を受けた道路・河川緊急復旧や農地・農業用施設復旧などに

19億5687万円

補助事業、人件費を含めて

総額22億1251万円を可決。


 特別会計補正予算では
国民健康保険、介護保険事業の減額により

総額1830万円の減額を可決。

企業会計補正予算では、福知山市民病院の薬品費・診療材料費などの増額補正に

3億2652万円を可決。


請願12件を不採択

12月議会には「消費税増税中止の意見書提出を求める請願書」など12件の請願書が提出されましたが、いずれも賛成少数で不採択となりました。



委員会活動

市民地域委員会として1031日と11月1日に滋賀県高島市と石川県七尾市を視察しました。

いずれも移住定住施策に力を入れている市です。本市の担当職員も同行しました。
高島市は急激な人口減少に危機感を持ち、平成20年に「若者移住促進条例」を制定し、住宅確保支援、就労・起業支援、子育て環境の向上、定住促進施策を重点事業として取り組んでいます。

七尾市は北陸新幹線の開業により移住者ターゲットを首都圏に絞り、東京での移住相談セミナーに参加しています。住宅取得の支援を充実させ、移住者の交流会を開催して定住を図っています。

本市にとって重要な移住定住施策の参考になる視察でした。2月に政策提言を行う予定です。

11月2日に「夜久野みらいまちづくり協議会」との出張委員会を開催しました。同協議会の取り組みや夜久野の移住定住の現状など貴重な意見交換ができました。



◎大志の会の活動

会派の議員3名で11月に広島県呉市、岡山県津山市を視察しました。

目的は市で取り組んでいる人口減少対策を調査研究することです。呉市は旧海軍遺産の活用などの都市ブランド力の向上、顔が地名のキャラクター「呉氏」を活用したシティプロモーションの推進などを行っています。


津山市は県北部山間部の盆地であり、定住自立圏の中心市でもあります。本市同様若年層の転出が課題であり、奨学金返還補助制度などで地元企業への若者の定着を図っています。

いずれの市も人口減少に強い危機感を持ち、市の特性を活かして真剣に取り組んでいます。視察内容は一般質問や提言に活かしてまいります。


議場にある呉市の市章

9個の「レ」をデザイン 本市の「フ」9個と似ている


業務の見直しで財政負担の軽減を

12月議会での一般質問


質問1 職員の働き方改革と財政負担の軽減に向けた取り組みについて



①水道事業の包括民間委託での財政負担の軽減は?職員の削減は?

6次行政改革との関連は?


②業務の削減の検討(棚卸し)は。

アウトソーシングや民間委託できる業務は他にあるか。


③議会で印刷紙などの削減成果があったタブレット端末の導入は。


答」


 ①経費削減やサービス向上を行い、財政負担は1割程度削減できる

   職員は11名、嘱託9名、臨時4名を削減。

 組織全体の人事異動により他の部署へ異動させる。

   行革に寄与すると考える。


②労働生産性改善などのためにも業務の見直しは必要

IT活用などで業務のスリム化を図り、

最小のコストで最も効果的な市民サービスに努める(市長)。

計画的に見直す。具体的業務は現時点ではない。


③タブレット端末をどの程度活用できるか、セキュリティ問題などを総合的に検討する。


「コメント」

財政負担の軽減に関する質問であったが、

業務の削減についての明確な答弁はなかった。

   行政改革で職員の削減は進むが、

業務の見直しがなければ超過勤務や非常勤職員が増えるだけだ。




質問2 高齢者の健康寿命増進対策について


①健康寿命増進についての考えは。本市の平均寿命、健康寿命は。


②健康寿命増進対策は。無関心層対策は。インセンティブは。


「答」
  
  ①少子高齢化が進む。健康寿命延伸は重要である。

  27年の本市の平均寿命と健康寿命は

  男80.16歳、78.44歳、女87.16歳、83.54歳で男性は府の平均以下、女性は平均程度だ。


②健康増進計画に基づきがん検診などの健診、健康生き生きクラブ、

認知症対策に福知山おどりを実施。

無関心層対策は課題だ。民間企業から景品提供を受けてポイント事業を実施している。


「コメント」

高齢化の進展、とりわけ団塊の世代が後期高齢者になる2025年には

健康寿命対策がさらに課題となる。

   誰もが健康で長生きできる社会の実現に市民も取り組むことが重要である。




質問3 鉄道館ポッポランドのあり方について


①鉄道館ポッポランドは必要か。本市における位置づけは。


②1号館を休館した経緯。閉館後にあり方検討委員会を設置したのは。 


③来年度は再開できるか。


「答」


①本市は歴史的に鉄道の要衝として発展してきた

ポッポランドは本市の中心市街地活性化の拠点としての位置づけだ。(市長)


②建築から80年以上経過した建物だ。老朽化と耐震上の問題で休館した。

安全の問題だ


関係課において検討する

実現可能か総合的に判断してできるだけ早く方向性を出す。

再開する場合は10年程度で閉めない持続可能性がある事業とする。


「コメント」

まず休館ありきという印象が拭えない。検討委員会を4回傍聴した。

    委員の熱意や思いに応える本気の対応をしてほしい。

    時間をかけて検討するだけではやらないのと同じである。



質問4 福知山公立大学周辺の新駅設置について
  
 
 ①公立大学の学生増加や工繊大キャンパスの開校で新駅設置の必要性は高まったか。
 

 ②JRに対する要望は。今後の展望は。



「答」

①増加する学生の利便性向上のために必要だ。

   
   新駅ができれば現在でも460人の利用が見込まれる。


②複線化促進同盟で要望している。大幅な利用増進が見込めないと困難。

環境づくりが重要だ。



「コメント」

新駅は本市の活性化にも寄与する。早期実現は容易ではないが粘り強く交渉してほしい。




議員活動の記録

市議会議員として活動してきた主な内容を報告いたします。


 平成27年 

4月 市議会議員に初当選

5月 議員活動開始―「希望の会」(保守系会派5人)に所属

「市民地域委員会副委員長」に就く。他に議会運営委員会委員、議会改革検討会議委員

6月 一般質問を実施人口減少対策と定住自立圏、行政サービス向上、公共交通事業運営)

7月 ◆議会報告第1号発行

8月 委員会の行政視察

9月 一般質問を実施(未来創造福知山、雇用拡大、交流人口)

○福知山公立大学設置の定款を可決(賛成)

10月 ◆議会報告第2号発行

11「未来創造福知山特別委員会副委員長」に就く     
委員会の行政視察

12月 一般質問を実施(地域振興施策、男女共同参画、近隣市と連携、旧3町庁舎の活用)


 平成28年 

1月 ◆議会報告第3号発行

2月 ◎路線バス運行の市長要請


市長に要請

3月 ○未来創造福知山を可決

4月 ◆議会報告第4号発行

6月 市長選挙

7月 一般質問を実施(未来創造福知山の市長見解、公立大学、近隣市との連携、女性の活躍)

◆議会報告第5号発行

8月 委員会の行政視察

9月 一般質問を実施(行財政改革、特別参与委嘱、府庁の機能移転、子育て支援充実)

10 ◆議会報告第6号発行

11月 委員会の行政視察

12月 一般質問を実施(人口減少対策、大学周辺駅設置、高齢者事故防止、雇用拡大)


 平成29年 

1月 ◆議会報告第7号発行

2月 委員会の行政視察

3月 会派の代表質問を実施(市長新施策の成果、29年度施策、公立大学の運営)

4月 ◆議会報告第8号発行

5月 ○臨時議会で議員定数削減を1312で可決

「市民地域委員会委員長」に就く。他に議会運営委員会委員、議会改革検討会議委員、広報広聴委員会委員。
会派協議により希望の会を解散「大志の会」(3人)に会派変更

6月 一般質問を実施(働き方改革、少子化対策、市民アイデア、本市のポテンシャル)

7月 ◆議会報告第9号発行   

8月 委員会の行政視察

9月 一般質問を実施(北部地域連携、産業支援センター、公立大学の運営、里親制度)
   決算委員会で総括質疑

10月 ◆議会報告第10号発行

11月 〇臨時議会で台風被害対策予算成立

12月 一般質問を実施(中心市街地活性化、厚生会館改修、地域産業の活性化)


 平成30年 

1月 ◆議会報告第11号発行
   委員会の行政視察
   委員会の出張委員会

2月 後期高齢者医療定例会

3月 〇組織機構改編議案に反対討論実施

4月 ◆議会報告第12号発行

5月 委員会で政策提言作成

6月 一般質問を実施(観光施策、防災対策・危機管理、公立大学と知の拠点整備構想)


◎「デマンド交通促進の政策提言」を市長に提出

市長に政策提言

7月 ◆議会報告第13号発行
   委員会の行政視察

9月 一般質問を実施(スポーツ振興対策、人口減少対策、デマンド交通の推進)

10月 ◆議会報告第14号発行

11月 委員会の行政視察

12月 一般質問を実施(前頁)
   会派で要望書を提出



会派で政策提言~定住自立圏の推進を要望


大志の会は2年にわたり調査研究を続けてきた「定住自立圏の推進」についてとりまとめ、11月9日に議長あて政策提言書を提出いたしました。

会派としての政策提言は本市議会では初めてです。


議会改革検討会議での内容の審議を経て、全議員による議会政策検討会議に諮られましたが、他の会派の議員からは議会として政策提言を行うことの理解が得られず賛成少数で否決されました。



市長あて要望書を提出
左から西田、高宮議員、桐村議員
渡辺市長公室長、森田理事

そこで大志の会としては会派として要望することとし、1214日に市長公室長に市長あての要望書を提出いたしました。


 要望内容 

1 定住自立圏に向けた流れ

①定住自立圏の早期実現に向けて近隣市との協議を開始する

②連携内容について検討を行う

③近隣市の理解を得られた場合は速やかに中心市宣言を行う

2 連携するべき近隣市

①府県を超えた連携を行う(特に繋がりが深い兵庫県丹波市)

②交流が多い綾部市と連携する

③併せて兵庫県朝来市、与謝野町、舞鶴市など市域を接する市町との連携を段階的に進める

3 連携内容

協定内容は次の施策がある。

①市町の役割分担による生活機能の強化

・医療―医師の派遣など
・教育―大学への就学支援
・産業―農産物のブランド化

②市町間の結びつきやネットワークの強化

・公共交通ネットワーク化
・生活道路の整備など
・共同空き家バンク
・圏域内イベント(文化・スポーツ)など

③圏域マネジメント能力の強化

・職員の合同研修・人事交流


 政策提言の背景 
 
北近畿地方(京都府・兵庫県の北部9市4町)は歴史的に繋がりの深い地方であるが、どの市町も人口の減少に歯止めがかかっていない。そのため各市町は近隣市町との連携を図り、地域の活性化や行政負担の軽減を模索している

そこで総務省が推奨する「定住自立圏」を導入することにより、圏域の近隣市との連携をさらに深めることが本市の活性化に有効であると考えられる。

北近畿地方において、「中心市」になれるのは本市と豊岡市のみであり、本市には近隣市町に対する責任がある。
テキスト ボックス: 編集後記
「議員の顔が見えない」、「議会は不要だ」という意見を聞くことがあります。議会は何のためにあるのでしょうか、議員の役割とは何でしょうか。私は議員になってから毎日のように自問自答を繰り返してきました。
 議会は必要です。国会のように与党、野党はありませんが、市長の施策を議論して意見を言い、場合によっては対案を出すのが議会ではないでしょうか。そのためには議員一人ひとりが仕事をすることが必要です。議員の仕事とは議案の審査は当然ですが、一般質問での意見・提言や委員会での議論と積極的な政策提言だと考えます。
名誉や地位を議員になることに求めるのではなく、本市と市民のために働くことに議員として強い責任感と誇りをもつべきだと思います。
本市は北近畿の中核都市です。中心が強くなければ全体が衰退します。私は本市の未来を信じております。より良い未来のために仕事ができれば幸いです。

※中心市とは人口5万人以上で昼間人口が多い市。近隣市町と協定できるのは中心市のみ。



編集後記

「議員の顔が見えない」、「議会は不要だ」という意見を聞くことがあります。

議会は何のためにあるのでしょうか、議員の役割とは何でしょうか。

私は議員になってから毎日のように自問自答を繰り返してきました。

 議会は必要です。国会のように与党、野党はありませんが、市長の施策を議論して意見を言い、場合によっては対案を出すのが議会ではないでしょうか。

そのためには議員一人ひとりが仕事をすることが必要です。

議員の仕事とは議案の審査は当然ですが、一般質問での意見・提言や委員会での議論と積極的な政策提言だと考えます。

名誉や地位を議員になることに求めるのではなく、本市と市民のために働くことに議員として強い責任感と誇りをもつべきだと思います。

本市は北近畿の中核都市です。中心が強くなければ全体が衰退します。私は本市の未来を信じております。より良い未来のために仕事ができれば幸いです。